だかいち萌え日記

抱かれたい男1位に脅されていますの萌え語りです。

抱かれたい男1位に脅されています

本日のだかいち徒然モエ語りは自分的最高峰の6巻いきます!

ネタバレ考慮していないため、お気を付けください。あと恐らくいつも以上にダラダラ語りで長いと思います。すみません、見て下さる方、本当に有難うございますっ!

 

「抱かれたい男1位2位の二人が かき乱され 懊悩し 激情にかられ~」(BY 卯坂)

うん。6巻って、つまり↑を二人が実体験したっていう内容だったと思ったのですよ。

そして高人さんに惚れ直す。私がな。
チュン太の才能に「このままだと置いて行かれる」とさらなる高みを目指してスペインに渡るけど、その理由が
「チュン太、安心しろ、お前ひとり先を歩かせたりしねぇ‼」だよ。
こんなに男前な、想いに溢れたセリフってある⁉ 相手の天才的な能力に自分の才が及ばない現時点で、出てくるのが羨むことでも劣等感に苛まれることでも卑屈になることでもいじけることでもなく。
そして多分、今まで「ずっと一人で先を歩いてきた」高人さんだからこの気持ちが相手に対してまず出たんだよね。それがどんなに孤独で大変なことだったかを知っているから。「そんな思いはお前にさせない、安心しろ!」なんでしょ。うん、なんかね、やっぱりこの人基本男前というか、日本男児だよね。相手に対しての言葉足らずの部分含めて。言葉足らずの部分で途中エライことになるわけだが、この気持ち自体は凄く相手に対しての想いに溢れてるしカッコいいなと思うわけですよ。チュン太がオートマ型&天才として高人さんはマニュアル型&優等生。でも努力を惜しまないド根性と、計算を全部取っ払った生の情熱で天才に追いつくって、それなんてジャンプバトル漫画? なんて胸熱!
対してチュン太。うん、これはこちらからしたら辛いのがよく分かる。読者からは高人さんのモノローグがあるから彼の行動原理がチュン太への想いが大本って伝わってるけど、如何せん高人さんはチュン太には一切語ってない。チュン太が高人さんの力になりたいと手を伸ばしても取ってもらえなくて「俺は俺のすべきことをする、お前はお前のすべきことをしろ」だけだもんね。そもそもナウパカ話の例を見てもチュン太は戦うにしろ逃げるにしろ「一緒」でありたい。というか彼自身の根本が今現在高人さんだからね。で、多分、自分自身の価値に彼自身が重みを置いてないから、彼の才能を高人さんが大事に思ってくれていることを前回までで知ってはいるけど、恐らくあんまりちゃんと感覚で理解しきれてない。だから今回の一人で行動してしまう高人さんが自分から離れてしまう行動にしか見えなくて不安を御しきれなかった。
…そらそーだよな。前述したとおり、チュン太の伸ばした手は全部シャットアウトされて、トドメに指輪まで取られちゃうんだもんな。(ほんとにこういう小物の使い方と描写の仕方、凄く読み手に分かりやすく描かれる作家さんだと思います)。
あれじゃもう、チュン太からはどうアプローチすればいいのか本当に分からないよな。
高人さんには高人さんなりの行動原理があってそれも第三者側からすればよく分かるんだけど、同時にそれは相手には全然伝えようとしてない自分本位な行動なのも事実で(でもそれすら20年、俳優という職業のみに全てを費やし芸能界を生き抜いてきた人間として「らしい」なと納得できてしまう)、だからあの、指輪を取られた時のチュン太の口元だけ笑ってるけど何もない薬指をさするシーンが凄い胸につまされたよ。あの後の「酷薄な夜」シーンでの「体だけじゃなくちゃんと俺を~」の言葉がこう、クるというか。これまでも何度か「高人さんの身体は気持ちいいことが好き」なことは言及されてるからね、少なくともチュン太の中ではそう認識されてる。だから、「自分自身が望まれている」ことを実感したいからこその言葉だったけど、あの状況ではなぁ。…腕をほどいてたら高人さんからちゃんと抱きしめてくれたと思うけどな、チュン太がなんかよく分からないながら追い詰められてたことはちゃんと察することが出来てたし。
5巻であんな風に大々的にまとまったかと思いきや、互いに相当な熱量で思いあってるのにうまくいかずにすれ違うっていうのがね、蛇足になってないんだよね、ちゃんと紆余曲折しながら二人の関係が進んでもっと近づいて行ってる。っつか一巻一巻の密度がかなり濃いなと思います。まだ六巻なんだけど、どの巻も凄く読みごたえを感じる。BLってそうなのか? 少年少女漫画って結構十巻二十巻とストーリー続く感じあるけど、BLで例えば十巻越えとか見たことない気がする、そういえば。だかいちにはまだまだまだまだぜひ続いてもらいたいけどな! 

結局高人さんには出て行かれてしまい、彼がいなくなった後のチュン太の気持ちを考えると何とも言えない気持ちになるんですが(誰も居ない部屋を見てるあの表情がね…もう…)。
高人さん自身はアントニオに「ジュンタに八つ当たりでもしたのか」と聞かれて「かもな」って答えてるんだよね。チュン太がああいう行動に及んだことの発端が、自分がアントニオに負けてさらなる勢いでしゃにむにあそこを離れようとしたことであることも察してるんだよね。ここら辺からのアントニオ、セレスとの会話が一人で突っ走ろうとする高人さんにとってホントに必要で、彼がいままで持ってなかった、必要ではなかった大事なピースが少しづつハマって出来上がっていく感じがあってとても好きです。アントニオの「逆にジュンタが片棒担いでくれっつったら~」 ! アントニオ‼ よく言った、よく言ってくれた! なんて的確に彼の盲点をついてくれたんだ!!! 良いキャラだよ貴方は!顔は濃いけど!!
セレスさんはジュン太の持っている虚無の血のルーツにつながる人で、彼も奥様に会って地に足が着いた人。そして唯一の伴侶を得て若い二人よりずっと長い人生を生きてきた人。だからチュン太のことも高人さんのこともよく見える訳で、いい祖父っぷりでした。6巻まで一気に読んだ訳ですが、それから色々と世間のだかいち評を見聞きしてなるほどと感じること。だかいちの世界は基本的に良い人、優しい人たちで出来ているって、凄い納得できる。4,5巻でチュンたかを追い詰めた冬分側の連中でさえ最終的にはゲスと言えない人柄が見えたくらいだしな。
見る人によってはそれは「ヌルい世界」につながるかもしれないんだけど、自分は気持ち良いです。この優しい部分が。ぶつかり合ってすれ違ってうまく事が運ばなくて辛い事だってあって、でも大事に想ってる。色々うまくいかないことがあったって思う気持ちに嘘はなくて出来る精いっぱいで互いに添おうとしてる。その周りでも誰かが誰かを思いやってて、デコボコしながらそれでも世界はそれらで歯車がハマって回っていってる、って言う感じ。ちょっとうまく説明しきれてないかもだけど、読んでいて安心感があって気持ちいいんですよ。だかいちは。

互いを思うが故に一致出来なかった行動があんだけこじれて、それが今回の問題だった「踊り」で解消される。その構成もさることながら、やっぱりこの桜日梯子先生の作品の説得力というのは、コマの描写の魅せ方もあると感じてます。前にも書いた気がしますが、舞台とかお好きということで多分「見せ方」をよく分かっておられるんだろうな(偉そうだな、おい)。
高人さんがアントニオ、セレスさんから与えてもらったチュン太のこれまでの情報に対して、高人さんが返した答え方が「お前のために踊ってやる 目 閉じるなよ」の後の!
チュン太のあの通常の笑顔も消え失せて三段階で呆然と食い入る「目」。
ダイレクトに感じて鳥肌が立ちましたデスよ。
「想ってる」ってことを言葉でなく雄弁に示す高人さんとそれを根本で理解させられるチュン太。あののっぴきならない感情の交錯の感じが、まとめて一気にこの作品を読んで「この漫画、面白いし凄いし好きだ!」と迷いなく思わせてくれた最後の後押しでしたね。その後のあの言葉のないHシーンの表現含め、ものすごく彼ら二人のナマの、無言でも雄弁な互いへの熱情が伝わってきてしかもそれを感動と共に応援している自分が居たというか。
結構目にするのですが、自分もだかいちはBLだノーマルだという枠抜きで見てる感があります。で、上質な恋愛ものを読んでいる感があるというかいや「上質」っていうスマートで高等なイメージとは微妙に違くてもう少しとっつきやすいというか、主役二人ともステータスは思いきり上等なんだけどかなり歪に欠けてる部分がそれぞれ有って、学生物ほど若くはないけど大人としてまだ完成されて成熟しきれていないというか互いに「初恋中」で、圧倒的なその熱量に紆余曲折しながら色んな大切なものを一つ一つ知っていっている青臭さがある。喜怒哀楽、熱くて甘い思慕の情とか、嫉妬の黒さとか、別離の苦しさとか、肌を重ねる快楽とか、他沢山のことを二人で居ることで一から築いていってる。その模様の描かれ方がとても好みです。高人さんは役者バカの恋愛素人で、チュン太はある意味やっと人間になれた人だから、どちらも有り余るほどの才能に長けた成人同士であるにもかかわらずどっちも物慣れてない相手同士なんですよ、だからうまく合わせていくには少し時間と手間がかかる。そこがいい! その上での大型ワンコ攻め×とツンデレ猫属性受け。……っっ……至高ッッ……♡♡♡!!!(笑) 
6巻は今のところ、チュンたかが繰り広げてきた恋愛模様の最高峰に位置すると個人的に思っていたりします。強く思いあう故のすれ違いっぷり、周囲の近しい人達が彼らに力を貸してくれたからこそ実のところこじれ切らずに修正できたという細やかな世界の優しさ、高人さんはチュン太への気持ちを自分のこれまでの殻を突き破る力に変えて、チュン太は「凛としてどこまでも美しく綺麗な、完璧な高人さん」の計算抜きの生々しい「想い」を言葉でなく見せつけられて想われているのを解ることが出来た。
あの会話のない〇〇〇〇シーンは、自分が今まで見てきたそういうシーンの中で一番必要な、意味を持つ屈指のシーンでした。息遣いだけで、外の場所の描写とか色々生々しくて、「エロい♡」とか「萌える♡」とか言えるレベルを超えてる凄い大事なシーンというか。今そこに至ってしまってる彼らの心情をそこまで読んでて納得してしまえるというか。
そこまででも凄いハイレベルな心理描写と思うのに、そこで最後にチュン太の邂逅と涙ですよ。
5巻の時に微かな違和感としてチュン太は泣かないんだなーと感じてたんですが、あの時点ではまだ涙を出せるレベルまで人間度が上がってなかったんだな。
4巻で高人さんに一方的に別れを告げられてそれがものすっごい傷になってたのは事実でも、まだ泣けるほど人間として至ってなかった。それがやっとその傷を傷だと認識できるほど、辛くて怖くて苦しいことだったと認識できるほど、不安だと高人さんに言えて滂沱の涙を流せるまでに6巻でなれたんだ。それは多分チュン太にとって凄い進歩。
6巻での高人さんの行動が大きく影響したのは勿論。だけどでも実はちゃんと毎巻ごとにちょっとづつ互いに進歩してってるんだよね。5巻の手錠回では、素直になれずに顔をそらしてばかりの高人さんに「俺にみられるの嫌みたいだから」ってチュン太の方が高人さんをテコでも見ない行動をとるとか、その後で高人さんが「悪かった」って自然にチュン太の頭に手を乗せるとか、それまでにはしなかった、出来なかった行動を互いにとっていって今に至ってる。
それが読んでてこう…なんというかこう、良いんだよなー。イイんだよ。ある意味リア充爆発しろ!」
なんだけど、いいんだよっ! そのまま突っ走っていってくれ!! これからも紆余曲折しながらラブラブしてニヨニヨさせろーッッ! 
6巻はホントに高人さん男前の巻で二人の感情や関係がまた成長した大事な一巻で、本当に読んでて感動させて頂きました。欲を言えばこの一冊でアニメ化しないかなーと…。OVAとか、無理なのかしらねー。ホントに珠玉の出来だと思うのよ、6巻。

追加で。

ラストの飛行機内でのあの指輪の内側見た時のシーンの感動と言ったら! あの時俺はチュン太と同化してたと思う、多分なっ! 言わせてくれ、桜日先生はサイコーだと!! あのもうホントどうしようもないくらい喜びが溢れたチュン太の様子がもうもうもうっ!!!  興奮マックスでしたよ、はい!